六月五日  曇り時々雨 (二二日目)

 六時起床、七時御来迎、今日一日の無事を祈る。さあ、サスケよ、うまくかかってくれよ。おっと、三回のキックでかかってしまったではないか。いい調子だ。
 八時出発。途中ポートキャンベルのナショナルパークに立ち寄った。すばらしい、すごい、永遠と続く断崖絶壁。この風景を見ながら昼食とするか。紅茶にウィスキーを入れて、それからアプリコット・ジャムを入れて飲む。これが最高。体も暖まる。眺めもいいし、でもちょっと寂しいな。
 早くビーチ・ポートのユースホステルへ行こう。
 ここのY・Hは、すぐ目の前が海で最高の眺め。久々の暖かいシャワー、いい気持ちだ。
なんか、安心したと同時に疲れがどっと出たようだ。海からあがる月を見ながらスタミナ満点のビーフを食べる。明日はよい天気になる。今日の走行距離とコース、明日のコースをチェックして、十時柔らかいベッドへ入る。明日はアデレードだ。波の音を子守唄におやすみなさーい。

シドニーからの走行距離、2184キロ

   オーストラリアでは、日本より肉が安い。旅をしていると、食事がお粗末になってしまう。
   ユースホステルに泊まった時ぐらい贅沢をし、ステーキを食べる。それから、オーストラ
   リアのY・Hでは、自分で食事を作る。食器は揃っているので、後は材料だけである。
   だから、料金は五ドルから六ドルである。
   ビーチ・ポートのY・Hには暖炉がある。この日は私の他に二名のホステラーがいた。
   暖炉の火を見つめながら、旅の話をしたり、今日一日の日記を書いたりしていると、
   心の安らぎを感じる。この空間には、悩み、喧嘩、後悔、そんな否定的なものはない。
   あるのはただ、キラキラと輝いている六つの瞳だけである。
ポートキャンベラの絶壁
ナショナルパークで記念写真
この先にカメラショットあり