七月六日 晴れ  ( 50日目 )  

 ブルームに着いた。この街は沖縄の雰囲気がした。海は遠浅ですごくきれいで、家の屋根は赤褐色で、それに、日本人の共同墓地まである。この共同墓地は、真珠狩りで溺れ死んだ日本人のために作られた墓地である。なかには無縁仏もいくつかあった。彼らはどんな気持ちで死んで行ったのだろうか。さぞかし悔しい思いをし、また、日本の畳の上で死にたかっただろうなと思う。
 ここまで来ると、ビーチでは海水浴をしている人が多い。俺も泳ぎたかったが、まだ、傷の具合いが悪い。断念。
 こうしてビーチサイドで泳いでいる人を見ている俺だが、ブーツにジャンパー姿の自分が恥ずかしいくらいだ。泳ぎてーな。全然おもしろくねー。仕方なく、灯台のある岬まで行って日光浴でもするか。
 ここで夕日を眺めながら夕食、しかも、崖っぷちの小さな洞窟で食べたため、オーストラリア先住民アボリジニの生活のようだ。昔、ロウソクはなかったにしろ原始生活の住居ってこんな感じだったのだろうな。
 今晩は、すぐ下から聞こえる波の音を子守唄に疲れをいやす。

シドニーからの走行距離 10465キロ

   ブルームには多くの観光客がいた。観光客と言うよりも海水浴客である。
   キャンプ場は、テントやキャラバンカーでいっぱいだった。
   冬でも三十度以上は、あると思う。
   この暖かさのためか、傷が膿んでしまったのである。
   ブルームには、まだ何人かの日本人が住んでいる。
   ところどころに、日本語の看板があった。
   

「・・・・・」
日本人墓地の歴史
アボリジニも真っ青
ブルームの夕日
ブルーム夕日
ブルームの朝日