六月十五日 曇りのち雨 (32日目)

 久々の林道、ここでこのバイクが発揮する。カーブをスイ、スイっとね。でも、この山林を走っていると日本の三国峠を思い出す。まるで日本を走っているようだ。あー、日本を走りたい。日本が懐かしいな。寒いというよりは、山林特有のひんやりとする感じ、これがいいんだな。日本を懐かしんで走っているうちに、材木の街、マンジマップに到着。土曜のため、どこも休みでした。残念。
 ところが、ある材木工場に着いた時、営業はしていなかったが、一人のインドネシア人がいて、彼はここで働いているとのこと。そこで、彼からよいニュースを得たのです。実はここで働けるかもしれないのです。今、人が不足をしていて人を募集しているとのこと。 やったー!やっほー!これはいいぞ、きっといい金になる。さすれば、オートバイのマフラー、タイヤを新しいのと交換できるぞ。それに、フロートも直せる。嬉しいなったら嬉しいなっと。 とにかく、それは月曜日にわかること、それまで待ち遠しいな。

シドニーからの走行距離  6201キロ

   この時点で貯金が八百ドルしかなく、一周するには切り詰めた旅になる。
   日数的には余裕があった。
   お金の面でも余裕のある旅をしたかった。
   このときには天の助けと思った。しかし、・・・・・・・    
六月十六日 雨のち曇り  ( 33日目 )

 雨か、まだ暗いからもう少し寝よう。パブの近くにテントを張ったため、昨夜はうるさくて寝不足だからな。
 うーん、冷てえ!大変だ!雨がテントの中に入ってきたぞ。水浸しだ。これじゃ寝ていられねーや。とりあえず、荷物をパブの軒下まで運ぼう。
 こうして雨のやむのを待っていると、日本が余計に懐かしく感じるな。もう、どこも行く気しないな。
 明日はまた、マンジマップへ行かなければならないから、近くのブリッジタウンのY・Hで今日一日疲れを取ろうか。サスケどう思う、「ウン」、そうか、おまえもそう思えか。よし、そうしよう。それがいいそれがいいといいました。
 

シドニーからの走行距離 6303キロ

 

   この辺は高い木がたくさんある。
   見晴台のある木もあり、かつては、この木の上から 火事を発見したとか。
   三十メートル位の木が、オーストラリアにこんなにもあるとは思わなかった。
   オーストラリアって本当に広いなー。
   それから、パブの前では決してテントを張らないこと、うるさくて眠れない。
   まあ、一緒にビールを飲む人は別だけどね。
六月十七日 曇り (34日目)

 駄目だった。あのインドネシア人の勘違いだったみたいだ。仕事は無し、働けなった。残念無念。 はかなくも小さな夢が消えた。お金が持つかどうかわからないが、とにかく、なんとかやるしかない。
 まあ、なるようになるさ。
 今日は一番上に見張り台の付いた一本の木のあるところへ行った。誰もおらず、登ることはできなかった。またもや残念に思いながら、オーガスタのY・Hで一夜を過ごす。
 俺一人だった。なんと、シャワーは炭で焚いてから使用するということで、昔の桶風呂を思い出した。
 シャワーでなく風呂に入って温まりてー!

シドニーからの走行距離  6598キロ

   驚いた、驚いた、一度、水槽の水を沸かしてからシャワーを使うのである。
   この日も私一人、寂しかった。それに寒かった。
   やはり、身体の芯まで温まるという意味で、日本のお風呂はよいものである。
   私は、日本人だなー。  
エミュー、サスケと共に
雨季の時は湖になるよ
木の上部に見晴台がある